2009年8月の記事

第3話【下駄箱の赤いハイヒール】

アプレックで、アマゾンに出品されている古本や、買い取りの本・CD・DVDの袋詰めをしていた時、こんなお話を聞きました。

 

Cさん(仮名)と家族が、賃貸マンションに入居した時、下駄箱に、赤いハイヒールが1足入っていました。前の入居者の忘れ物らしい真っ赤なエナメルのハイヒール。新品でなく、何度か履いたものらしく、少し靴幅が広がっています。管理人さんにそれを見せると、「捨ててください」と言われたので、引っ越しのゴミと一緒に捨てたそうです。

そして、その部屋に住んで、少したったころ、

部屋のあちこちから、足音が聞こえてくるようになりました。
昼も夜も、走り回るような足音がします…。上の階や両隣には、そんな足音をたてる人は住んでいません。

不気味だなぁいやだなぁと思っていたそうですが、Cさんと家族は急に転居することになり、その部屋から引っ越ししたそうです。

 

しばらくして…、

街で偶然、このマンションの管理人さんに出会いました。

すると、管理人さんは、こんなことを言ったそうです。

「お宅が入居したあの部屋、下駄箱に赤いハイヒールがあったでしょ。それ、最初にあの部屋に住んでた若い女の人のなんだよね。でも、その人失踪しちゃって、荷物は管理人の私が処分する事になって、下駄箱のあのハイヒールもゴミ収集日に捨てたんだけどねぇ。
新しい人が入居するたびに、『下駄箱に残ってる赤いハイヒールどうしますか?』って聞かれるんだよ」

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第2話【未使用のコンサートチケット】

サマーな8月に入ったので、ホラーなお話をしてみたいと思います。

ある日、男性Bさん(仮名)が、買取り商品の査定をするために、届いたダンボール箱の中から、本やCD・DVDを取り出し、商品の状態をチェックしていました。その中に、女の子アイドルのCDがあり、歌詞カードを開けて見ると、パラッと何か落ちたそうで…拾いあげると、そのアイドル歌手の古い未使用のコンサートチケットなんです。とりあえずそういうものは、破棄なのでゴミ箱に捨てたんですね。CDのスレ傷が気になり、試聴してみたそうです。

すると、かわいい女の子アイドルの歌声と一緒に、

「い…き…た…い……いきた…い」

と低い男のかすれ声が、聞こえた気がしました。けれど、Bさんは「前売りチケット買ったけど、コンサートに行けなかったのかな?」とぐらいにしか思わず、仕事を終え帰宅したらしいんです。

 
その日の夜なんですが…。

 
Bさんが、寝苦しい暑さに何度も寝返りをし、やっと寝つけた真夜中ごろ…、
掛けていたタオルケットの足首を氷のように冷たい手でつかまれ、ハッと目が覚めました。
足下を見ると、暗闇の中でギラギラ赤黒く光る充血した目がこちらを睨んでいます。
そして、唸るようなうめき声が…。

 

「い…き…た…い……いきた…い」

 

Bさんはその時、気づいたそうです。
この「いきたい」と言ってるのは「行きたい」でなく、「生きたい」だったんじゃないかと…。

チケットの入ったCDの元々の持ち主が、コンサート直前で亡くなったかどうか調べる事はできませんが、Bさんは次の日の朝、昨日捨てたゴミ箱をさがし、未使用のチケットを、もとの歌詞カードの中へそっと戻しておきました。その直後、CDは売れて発送していったそうです。

 

それが、どのアイドルのCDでどの商品だったのか、

Bさんと連絡不可能となった今では、知る事ができませんが…。

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